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パソコンができる人、できない人。その紙一重の差とは?

    目  次

第1章 パソコンができる人、できない人。その紙一重の差とは?

1.パソコンとの出会い
2.パソコンブームの到来
3.パソコンを一番早く覚えた人たち
4.人に教えるということ
5.パソコンを習う
6.パソコンのコンプレックスはどこから来る?
7.パソコンの誤解 その1
8.パソコンの誤解 その2

第2章 パソコンができなかった人の3つの落とし穴とは?

1.落とし穴(1) 「こだわりすぎる人」
2.落とし穴(2) 「先を急ぎすぎる人」
3.落とし穴(3) 「心配しすぎる人」


第3章、60才過ぎてから習って、使いこなす、3つの秘伝とは?

1.秘伝 その1 「まずはやってみる」
2.秘伝 その2 「まずは作ってみる」
3.秘伝 その3 「繰り返してみる」

最後に

第1章
パソコンができる人、できない人。その紙一重の差とは?

1.『パソコンとの出会い』


 私がパソコンと出会ったのは今から20年程前になります。
当時ニューメディアと言われていた「キャプテンシステム」の入力を行う会社にいました。
「キャプテンシステム」とは、電話回線とテレビを使って文字と絵で情報を双方向でやり取りするもので、今でいうインターネットの簡易型のようなものです。その頃は、最先端といわれているようなところでしたが、時代はまだ、ワープロ専用機の全盛期。ワープロといっても、今のような簡便な物ではなく、机二つ分くらいの大きさで、価格も数百万円から1千万円もする高級機でした。
 当然自社内に、そのようなものはありません。

企画書を作るにも手書きで作らなければならず、字が下手な私は、ほかの人に清書してもらったり、親会社にある一台のワープロの入力担当の方に、何とかお願いして打ち出してもらったりしていました。
手書きの書類は、ほんの少しの訂正や変更でも、一から書き直さなくてはならないし、ワープロでの打ち直しは、担当の人もあまりいい顔はしてくれません。
そんなこんなで当時大変苦労していましたが、ある日個人でも何とか買えるような価格の「パーソナルなコンピュータ」が発売されたのです。
NECのパーソナルコンピュータPC9800シリーズの登場です。

これがあれば、なんと1千万円近くもするワープロと同じようなことができるというのです。
私は会社の上司に何度かアプローチしましたが、当時パソコンはまだ認知度が低く、安くなったとは言え100万円はしていましたので、購入は認めてもらえませんでした。私は、企画書を下手な字で書きながらも、一大決心をしてボーナスをつぎ込み、ローンを組んでついに購入し、会社に持ち込んで使うようになったのです。
 パソコンといっても、今のようなウィンドウズではなく、MSーDOSという基本ソフトで動くもので、スイッチを入れても画面は真っ黒です。
キーボードから、コマンドという命令文を入力しないと何も始まらないような代物でした。
当然マウスはなく、すべてキーボードで行います。
 今のようにマウスだけでソフトを起動したり、終了することはできません。
ただ、今よりもはるかにいいことがありました。
それは、ソフトの動きが速かったことと、いきなり電源を切ってもなんら差しつかえなかったことです。
今のウィンドウズはシステム的に、やたら複雑なことが、簡単に行える半面、電源を切るのにも、やたら手間がかかるようになってしまいました。
当時は、パソコン人口も少ないし、情報誌もあまりなく、パソコン仲間を探して情報を交換し合うこと位しかありませんでした。
「パソコンは便利そうだ」といって買った人の、9割は押入れ行きになっていると言われていたのがこの頃です。
その頃パソコンができる人の条件は、周りにパソコンをやっている人が、いるかいないか、が決め手になっていました。
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2.『パソコンブームの到来』


そのような状況が一変したのは、1995年、ウィンドウズ95が登場してからです。
初めての人でも、簡単に使えるというキャッチフレーズで、一大ブームを起こしました。
95年後半から96年にかけて社会的なブームになり、新聞にパソコンという字が載らなかった日はないといわれるほどでした。そして97年頃から新聞にはインターネットの文字があふれ、99年以降はITという字があふれかえっています。

95年当時知人が、「これからはパソコンの時代だ。パソコンのスキルを教えられる教室をやろう」と言い出し、テキストを作り、先生(インストラクター)の養成も行いました。
以後6年あまり、私がお教えした生徒さんや先生は、延べ何百人にもなっています。
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3.『パソコンを一番早く覚えた人たち』

 私が見てきた中で、一番覚えの早かった人たちはどういう人たちかというと、一緒にパソコンのテキストや、教室で使うための書類を作るために頼んだ、素人の人たちです。
彼女らは、パソコンの本などまったく読んでいません。
最初のときに、私が10分ほど教えて、後は実践のみです。
あとはほかりっぱなしです。にもかかわらず、覚えていきます。
そしていつのまにかパソコンのマニュアルなども読めるようになっていきます。
なぜでしょう。
 私が出した結論はこうです。
まず第一に、パソコンを使って、やるべき仕事がたくさんあること。
第二に、私がいつもそばにいるので、いつでも操作方法を聞けるということ。
第三に、これが一番重要だと思われることですが、いろいろな間違い、操作ミスに対して、どう対処すればいいか覚えていけるということです。
 そうやって簡単に回復できるミスと、まったく回復できない重要なミスの違いを覚えていきます。

また、どうやったら時間内に仕事がこなせるか。
いちばん簡単にできる方法や手抜きのできる?方法を覚えていきます。
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4.『人に教えるということ』

 インストラクターを目指す人たちは、やる気でいっぱいです。
この人たちも結構覚えは早い人が多いです。
この人はスジがいいなと思う人は必ずといっていいほどメモを取っていました。
なかには随分頭のいい人もいて、一度聞くだけで覚えてしまう人もいます。
おおむねインストラクターを目指すような人は、上達は早いといえるでしょう。

 ただ実際に生徒さんに教えられるか、しかも上手にわかりやすく教えられるかといったら、むしろ時間をかけて、つまずきながら覚えた人のほうが、ササッと覚えてしまった人よりも、いいのではないかと思います。
あまりにも簡単に覚えてしまった人、勘が良くてどんどん覚えていける人は、逆に「わからない」「むつかしい」という人を理解しにくいのではないかとも思えるからです。

 たとえば、あなたがもし野球の選手を目指しているとして、天才「長島」と、努力の人「王」と、どちらでも教えてもらえるとしたら、どちらを選ぶでしょうか。
「長島」さんはおそらく(あくまで推測だけど)「バットのグリップをギュッと絞って、ボールをバシッと見て、打つ瞬間に手をカキーンとかえすんですよ。わかりますよねえこの感覚。」なんて、擬音ばっか使われて、わかる人にはわかるけど、わからない人には永久にわからんようなことになりそうな気がしますよね。
「王」さんは、(よくはわからないけど)擬音ではなく、数字とか理論とか、道理で教えてくれるような気がするんですが。あるいは努力の仕方かもしれません。
しかし、こちらがわからんといったら、一応わかるまで説明してくれそうな気がしませんか。
そういえば昔、私の祖父が、50過ぎて隠居してから漢詩を習い始めた

時の話です。漢詩の先生があるとき、雑談の中で「世の中には一度聞い
たことを忘れるという人種が居るらしい。私の孫もどうもそのようで苦 労しとるようですわ」といわれて、返す言葉がなかったと、母に言って いたそうです。
それはそうでしょう、一度聞いたら忘れないというような人が、まだま だ勉強が足りんなどといって学んでいるような道を自分も歩んでいくの かと思ったら気が遠くなるでしょう。そんな人に「この前のここのとこ ろは何でしたっけ」などと聞けるわけがないですよね。

 まあパソコンに限らず、将来人に教えようと思ったら、覚えが悪いほうが教えられる人の範囲も広がるのではないでしょうか。
「何がわからないのか」
「なぜわからないのか」
がわからなければ教えることもできませんからね。
 しかし、だからといって、あまりわかっていない先生に教えてもらうのも考えものです。
あまりわかっていない先生でも、生徒から見れば知ってることが多くて、いいようにも思いますが、困ったことに往々にしてわかっていない人は、相手にそれを悟られまいとして、相手を馬鹿にしたり、高飛車に出たり、怒ったりすることが多いですからね。
「いやあ、私もよくわからないから、いっしょに学んでいこうかね。」なんて言ってくれればいいんですけどねえ。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」で、わかっていないほうがそっくり返って、威張って、よくわかっている人のほうが腰が低いのかもしれませんね。
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5.『パソコンを習う』

 さて話が横道にそれてしまったけど、肝心の生徒さんの話。
多くの人を見てきて、パソコンに合う人合わない人というのは、実際にいるのだろうか。ということですが、やはり「ない」とは言い切れないようです。
とは言っても、しかしそういう方が、ドンくさい人か、能力や才能がない人かというと決してそうでもないのです。能力や才能のあるなしとは、まったく関



係がありません。むしろ優秀そうな人のほうがアブナイくらいです。
こういっては何ですが、一見苦手そうに見える人のほうが、かえって覚えが早いなんてこともあります。もちろんプログラムを書いたり、システムを構築したり、なんて専門的な話になれば別でしょうけど。
たとえば自動車に例をとれば、「運転免許をとって運転する」ことくらいなら
結構誰でもできますよね。でも、整備士や車の設計をするのは誰でもってわけにはいかない。
つまり、自動車で家と会社を往復するだけ。
家とスーパーを往復するだけ、というくらいの使い方なら、パソコンだって同じように使えるということ。
むしろパソコンのほうが、自動車と違い生死につながるようなことがない分、気楽にできると思うんだけど。
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6.『パソコンのコンプレックスはどこから来る?』

 中高年の方と話していると、必ずといっていいほど、パソコンにコンプレックスを感じていると言われます。
パソコンに限らないけど、何か始めようって時に、あまりそのことにコンプレックスを持ちすぎていると、なかなかうまくいきません。
そのような生徒さんがみえたとき、私たちが最初に行うのは、パソコンなんかに、コンプレックスを感じる必要はないということを、いろいろ例を挙げながらお話することです。

世間では、ITだ、パソコンだ、インターネットだと騒いで、これができなくては大変なことになる。などと煽っているから余計そうなるのだろうけど、ホント、パソコンに対する大きな誤解がコンプレックスを生んでいるように思います。
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7.『パソコンの誤解 その1』

 誤解その1は、「パソコンは賢い」だから、できないという人は賢くない。という考え方。
真実はどうかというと、「パソコンは賢くないから、人間のほうが、賢く使ってやらなあかん。」というのが本当のところ。
極端に言ってしまえば、実はパソコンの完成度は低く、(操作性という意味で)不完全もいいところ。
この不完全な機械を操作するには、時間もかかるし、それ相応の知識と技術も必要。つまりパソコンの未熟さを人間が補ってやらないと使えないということ。
パソコンのスイッチを入れても、使えるようになるまで数分かかる。
30年以上前の真空管ラジオよりも遅い。
やっと動いても、突然途中で動かなくなる。
昔のラジオやテレビも突然音が出なくなったりしたけど、叩くとよく直った。
でもパソコンは叩いたらよけい壊れるだけ。
システムの安定性がとっても悪い。もうやめようと思っても、スイッチで切ってはいけない。ちゃんとした手順を踏んで、パソコンを終了させないと壊れることがある。などなど。

パソコン以外でこんな商品作ったら、普通は返品の山になる。

今から30〜40年前、よくヒューズがとんで停電していた。電力会社の電圧も安定していなかったし、家電製品自体も動作が不安定だった。
だから配電盤のヒューズはよくとんだ。
家には、予備のヒューズが必ずおいてあったし、何かあるとすぐに町の電気屋さんを呼んで直してもらっていた。
真空管ラジオは真空管がよく切れるので、予備の真空管を置いていた。
裸電球も現在より切れやすくて、しょっちゅう電球を交換していた。
また、自動車も故障が多く、道路のあちこちでよく故障して止まっていた。

今のパソコンのでき具合は、たとえればこの頃の電気製品や自動車と同じようなもの。

今でもパソコンの新製品のうたい文句は、CPU(パソコンの心臓部)のスピードがどれだけが速くなったか、である。
いまどき自動車を買うのに、最高スピードが何キロ出るか?と宣伝する自動車メーカーはない。
スピード競争はとっくに終わって、今は室内外の装飾や、使い心地で勝負している。個性的な魅力や付加価値の競争になっている。
パソコンにしても、ある程度のスピード競争が一段落したら、使い勝手がもっとよくなってくると思うんだけど、それにはもう少し時間がかかりそう。
パソコンの完成度はまだまだ未熟で、発展途上の製品だという事実を知っていれば、無用なコンプレックスは持たなくてもすむのではないでしょうか。
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8.『パソコンの誤解 その2』

 誤解のその2は、パソコンを使いこなせていない。というコンプレックス。
この手のものはとても多い。ずいぶん覚えて使いこなしている人でもこうやって答える人が多い。
でも、冷静になってよく考えてほしい。
そもそも私たちは家庭用の電化製品に対しても「使いこなしてなどいない」ということを。
 つまり、パソコンに限ったことではなく、携帯電話、家庭用電話、(最近は機能が多く留守番つき、FAXつき、子機がついた電話など)すべての機能を知っていますか。また、使っていますか。
テレビの多機能リモコンが使いこなせていますか。
ビデオの機能を使えていますか。洗濯機の機能を全部使っていますか。
炊飯器、電子レンジ、冷蔵庫など。最近の家電製品は、いろいろな機能が入っています。
でもほとんど知らないし、使ってもいないのではないでしょうか。
テレビなんか、チャンネルが変わって、音量を変えられればそれでいい。


ビデオは再生ができればいいし、炊飯器もご飯が炊ければいい。
ほとんど一つのことができれば満足していませんか。
「私はテレビのリモコンが使いきれていないので、テレビが苦手です。」なんて思いますか。
「私は家の電話機の機能を使えていないので電話が苦手です。」なんて思いますか。
我が家の電話も、FAXつき留守番機能つきで子機が一台ついた電話ですが、電話をかける、電話を受ける。以外の使い方をしたことがないし、それ以外の使い方も(短縮登録や転送、親機と子機の呼び出しなど)まったく知らない。
でも、電話機にコンプレックスを感じたことはない。
あなたもそうじゃありませんか。
不思議な話だと思うけど、なぜ、話がパソコンになるとコンプレックス、苦手意識をもたなければならないのでしょう。
 テレビや電話機にコンプレックスを持たないのと同じように、パソコンにだって別に持つ必要などないのではないでしょうか。
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第二章

パソコンができなかった人の3つの落とし穴とは?

 今まで、パソコン教室へこられた生徒さんや、出張して個人指導した生徒さん、延べ数百人の人を見てきました。
なかには、人間的には優秀な方であるにもかかわらず、どうしてもパソコンができない人、覚えられない人、使っているのに苦手意識が取れない人がいるのも事実です。
しかしその原因らしきものは、不思議な話ですが、才能や能力、あるいは努力をした、しないとは一切関係がないということです。
私はずーっと「何が原因なのだろう」とその方々を見ながら考えてきました。そしてその人たちに共通に見られる3つの「落とし穴」を発見しました。
それは、先ほど言ったように、才能や能力ではなく、努力したしないでもありません。むしろほかの人々より優秀だし、人一倍の努力家です。


知識や技術でもありません。知識や技術が左右するなら、大人より子供のほうが覚えが早いという現象が起こるはずはありません。
その原因は、まったく違ったところにありました。
むしろ今まで学校や会社ではあまり重要視されていなかった、考えてこられなかったことです。
その方自身のちょっとした、クセや性格、パソコンに対する姿勢、考え方に違いがあったのです。
それでは、その3つの落とし穴について説明していきましょう。
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1.『落とし穴(1) 「こだわりすぎる人」』

 漠然とした言い方に聞こえるかもしれませんが、細部にこだわりすぎるのです。
分かりにくいかも知れませんから、実例をまじえて進めていきましょう。
パソコンの覚え始めは、まずマウスやキーボードの打ち方からです。
 マウスやキーボードはパソコンに命令を伝える大事な装置です。
はじめにこの部分を押さえておかないと次には進めません。
そこで最初は少し退屈で面倒くさい部分ではありますが、ある程度慣れるまで繰り返していきます。
マウスやキーボードはそれだけを操作していても、何のためにやっているのか、何ができるのかはよく分かりません。そこである程度慣れたところで次に進みます。
 実際にマウスを使ってプログラムソフトを起動したり、キーボードで文字を入力したりして、ソフトを覚えながらマウスやキーボードの細かい使い方も覚えていくことになります。
普通はこのようにして進んでいきますが、こだわりすぎる人は、ここからが進まないのです。
マウスにある程度慣れたかな?と思う頃に「ではそろそろ次に進みましょうか」と何度問い掛けても「いえ、もう少しやってみます」次回来られた時もずーっとマウスの操作。
その次もまたマウスの操作。
「ある程度慣れたら」という私どもの言葉が、この方にとっては「完璧に使い
こなせたら」に置き換わっているのです。
やっとキーボードの練習に入ったら、また「完璧に打てるように」なるまで次に進みません。
何回もかかってやっとワープロソフトに入り、文章を打つ練習に進みますが、ここから以降はもう大変なことになります。
 ワープロソフトの機能はそれこそ膨大なものがあります。
なぜかというとワープロソフトを作っているメーカーは、多くの方に買ってもらいたいと考えているからです。作家や記者など、ものを書くプロの人、家庭で手紙や日記をつける人、会社で報告書や連絡事項、企画書を書く人、などできるだけ多くの人に、使ってもらえるようにと、さまざまな機能をてんこもりにして作っているのです。
本当ならそれぞれのタイプ別にソフトを作って売ればいいのですが、そうすると価格が高くつきます。
メーカーは市場競争に勝つために、さまざまな機能をひとまとめにして、これ一本でこんなにできる、こんなに安い、と売っているのです。
その結果あなたにとっては、「あなたが使うための機能」「めったに使わない
機能」「まったく必要のない機能」と大きく分けて、3つの機能がぎっしり詰まったソフトを使う羽目になっているのです。
 そのために、授業は「あなたが使うための機能」の中の、重要でしかも比較的簡単に覚えられるところから順番に進めていきます。
これは言葉を変えれば、今使わない機能は一切説明しない。ということでもあります。
ところが「こだわりすぎる人」はここでも次に進めません。
このボタンの機能は? あのボタンは何のためにあるのか? 知らないボタンやメニューの中身を全部知ろうとがんばります。
いろいろな機能を調べたあげく、「こんなに使いこなせない」と落ち込んでいきます。
たかがワープロソフトを覚えるのに、どうして作家や記者の使い方、会社勤めの企画書の書き方や提案書や上司への報告書の書き方、また家庭での日記や手紙、子供の絵日記の書き方まで全部覚えないと気がすまないのか。と思いませんか?

 分からなくても安心して使ってください。
わからない機能がいくつ残っているかを気にするよりも、わかった機能が一つ増えたことで喜べるほうがよいと思いませんか。

 ワープロソフトはどこまでいっても、「清書する機械」でしかありません。
どれほど多くの機能を使って見栄えよく、きれいなものを作ったとしても、結局は中身です。あなたの気持ちが伝われば、大成功なのです。
本当の意味で、パソコンを使いこなすとは、できるだけ多くの機能を覚えることに頭を使うことではなく、あなたの言いたいこと、伝えたいことは何か、に頭を使っていくことではないでしょうか。
パソコンやソフトの機能なんかは最低限知っていればいいし、それすら忘れても、いっこうに構いません。
肝心なことは誰に聞けばいいか、さえ押さえていけば、いいのではないかと思います。
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2.『落とし穴(2)「先を急ぎすぎる人」』

 このタイプは、先ほどとまったく逆の人です。
「ある程度」わかったら次に進むはずが、ほとんどわからないまま、どんどん先へ先へと進んでいこうとするタイプの方がいます。

 マウスのクリックもできないのにキーボードの入力に進む。
キーボードもよくわからないのに、漢字変換に進む。
ワープロソフトでの入力は間違いだらけの文字で、文字を訂正しましょう、といっても「とりあえずこれで完成」にして、次のステップに。
授業中も、操作の一つ一つを全部質問して、一度復習しましょうか、といっても「また今度復習します」といって先へ進もうとする方。

 また、「ある程度」は覚えたけど、一度やったら2度と繰り返さないで、次へ次へと急ぐ方もいます。
何ヶ月で覚えなくてはいけない。すぐに使えるようにならなくてはいけない。また、上司に言われて少しでも早く覚えなくては、と焦って覚えようとしている方もなかにはいます。
 教室で復習を必ずせよ、とはいいませんが、先を急ぐのであれば、家や職場のパソコンで、習ったことを、もう一度復習するのは、とても大事に思います。
なぜなら、パソコンに限らず、新しく覚えたことは、繰り返さなくては必ず忘れるからです。
もうひとつは、一度うまくできたことでも、次にやるとなぜかできない、ということがあるからです。
 教室では、文章を1行あけて作れたのに、家でやったら2行もあいてしまった。とか、文字を間違えて打ってしまった、など一回やっただけでは出てこなかった失敗が出てきます。
どうやって元に戻すのだろう。というところから覚えるということができていきます。
人間は成功からはなかなか学べませんが、失敗を繰り返すことから、多くのことを学んでいけるのではないでしょうか。
そういう意味でも繰り返して、なおかつ失敗することはとても重要といえます。
私たちは「失敗せずに覚えたことはすぐに忘れる」のです。
「私は何度やってもうまくできない、いつも失敗する」とお嘆きの方には朗報だと思いませんか。
あなたが一番成功への近道を歩いているのです。

焦って先へ先へと進みたがる方。
どうしてそれほど急いで、先へ行きたがるのでしょうか。
そういう方を見ていると、実はパソコンが嫌いなのでは?と思えます。
まるで、早く頂上まで行って、さっさと山から離れたい、おさらばしたいと急いでいるようにも思えます。
いくら、パソコンが未熟ものとは言え、時代の最先端の技術を覚えていくわけですから、もう少し楽しんで、余裕を持って覚えていってもよいのではないでしょうか。
一枚書類を作れたら、「えらいもんだなパソコンは。しかしこんなものを作れる私もえらい。」と自分をほめながら覚えていくのが一番楽しいと思います。
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3、『落とし穴(3)「心配しすぎる人」』

 落とし穴の3つめは「壊れたらどうしよう」「失敗したらどうしよう」「変なことになったらどうしよう」とパソコンを触る前から心配しすぎる人です。
どちらかというと、ご婦人の方に多いように思います。
というのもパソコンに限らず「機械音痴でダメなの」といつも言っている方がいます。これも前章のコンプレックスのひとつといえるでしょうか。

 これにも2つの考え方があります。
 一つ目は、最悪どうなるか、を知っておくということです。
それほど簡単にパソコンの機械は壊れないという事実を知っておくこと。もちろん物理的に倒したり、落としたりしたら壊れます。普通に使っていた場合、機械が壊れるということはまずありません。唯一壊れるのはハードディスクという記憶装置くらいでっすが、金額的には1万〜3万円くらいの部品です。決して安くはありませんが、パソコンを全部買い換えるような必要はありません。
もちろんパソコンはよくとまります。わけの分からない画面が突然出てきたり、
まったく動かなくなることもあります。
でもほとんどの場合は、機械が壊れたということではなく、システムが壊れた程度です。システムを動かすソフトが壊れただけです。これはソフトを入れ直せば直ります。
これをソフトの初期化、または再インストール、ソフトをリカバリーする、といいます。このリカバリーソフトは、新しく買わなければいけないものではなく、パソコンに必ず付属していますから、安心してください。
説明書を読めばやり方は書いてありますし、説明書がどうしても日本語に思えない?方は人に頼んでやってもらえばよいでしょう。
機械を買いなおしたり、ソフトを新しく買う必要はありませんので、単純に人件費だけで直ります。
つまり、何らかの操作ミスが万一パソコンを壊したように見えても、最悪で、ソフトを入れなおす作業をするか、人に頼んでやってもらうという程度で済むのです。買い換えなくてはならないような事態になることはまったくといっていいほどありえません。しかも、何かの操作ミスでソフトを入れなおす必要が生じる可能性は、確率で言ったら1%以下です。ほとんどはシステムを再起動すれば(スイッチを入れなおすこと)直ります。

このことを知れば心配の99%以上は無用のものになります。

そして二つ目の考え方は、ほかの電化製品ではそんな風に考えない。
という事実を思い出すことです。
テレビのスイッチを入れたら「映りが悪い」という時に、私のスイッチの入れ方が悪かったのかしら。とかチャンネルの変え方に悪いところがあったのか、などと考えますか。
普通は「アンテナがおかしくないか」「テレビの寿命か。そろそろ買い替え時かもね」と言うくらい。
買ったばかりのテレビなら「電気屋に電話して替えてもらえ」くらいしか言わないでしょう。
ご飯が炊けなくなれば「炊飯器が壊れた。」
洗濯機がまわらなくなれば「洗濯機が壊れた。」でしょう。
なぜパソコンに限って「パソコンが壊れた」でなく「パソコンを壊した」になるのでしょう。
不思議に思えませんか? とっても不思議ですよね。
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第三章

60才過ぎてから習って、使いこなす、3つの秘伝とは?

私どもで習われ、確実に使いこなされていく方々を見て、やはり3つの秘伝とも言える内容をお知らせしましょう。

1、『秘伝 その1 「まずはやってみる」』

 教室に習いにくる方で、「私はパソコンが大好きです」って方はまずいない。
パソコンってむつかしいんだろうか。子供に聞いてもさっぱり分からんし、聞きなおしても、ろくに答えてくれないし。
覚えられんと恥ずかしいから、周りの者には内緒にしておこう。
テレビや新聞では毎日ITだ、インターネットだ、パソコンだと連日の報道。会社でも、家でも、近所の話でもこの話題が出ないほうが珍しくなってしまった。

もういいかげん覚えなくてはいけないかも知れない。
と言う感じで、どちらかというとおっかなびっくりで最初は入ってこられます。
 最初は説明もそこそこにして、マウスやキーボードに慣れてもらいます。前章のような話をして、まず壊れませんから大丈夫です、といって触ってもらいますが、「これはどんな仕組みでしょうか」「なぜこうなるのでしょうか」「本当に壊れませんか」などと悩む方も見えます。
会社の仕事では、最初に内容を理解して事にあたるというのが当たり前の常識ですが、パソコンでこれをやっているとまったく前に進めません。
会社などでは評価のよかった合理性、論理性はここでは、かえって足手まといになりかねません。
どんな原理でこうなっているだろう、なぜこうなっているのだろう、などの知的好奇心はとりあえず置いといて、まず触ってみることです。
知性や理性を働かせる前に、まずは感性的に覚えていくことの方が、なじみが早いといえます。
最初に説明書を読んでからでないと、触れないタイプの方は、説明書の段階でまず挫折します。
パソコン業界では、パソコンを触ったことのない人にもわかる説明書の書き方をまだ確立できていません。
まったく矛盾した話ではありますが、説明書は一通り覚えてからでないと、読んでも分かりません。
というわけで抵抗なく覚えていかれる方は、比較的感覚派、感性派の方といえます。
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2、『秘伝 その2「まずは作ってみる」』

 文字の入力を覚えだしたら、ワープロソフトでとりあえず何でもいいですから文章を打って書類を作ってみることです。
キーボードの配置がまだ覚えられないからとか、早く打てないから、といっていつまでもキーボードの練習ばかりしている方もみえます。
これでは、いつまで経っても文章や書類は作れません。
 文章を打つためにキーボードは欠かせませんが、キーボードが早く打てるだけで、書類作りが早くなるとは限りません。

 文字を入力しても、目的の漢字に変換したり、改行といって次の行に移ったり、文字の大きさを変えて見栄えをよくしたりと、いろいろな作業があります。
これを「編集する」といいます。
入力した文字の間違いを訂正したり、あとから文字の付け加えや、変更など、やることは様々にあります。
文章や書類を作成する上で、キーボードの占める割合は5割を超えることはありません。
私もよくチラシや、企画書、提案書を作りますが、キーボードの入力は20分くらいで終わりです。
しかしそのあとの編集、レイアウトには1時間も2時間もかけて行います。
相手が見て、分かりやすいか。読みやすいレイアウトはどれか。などと、同じ文章を並べ替えたり、文字の大きさや書体を変えて3つも5つもパターンを作ります。特に大事な書類は皆の意見を聞いて、一日たってから、もう一度見直したりと結構時間を掛けて作っています。
何が言いたいかというと、キーボードの入力を10分で済ませようが、1時間掛けようが、それほどの違いはない。ということです。
 最近は、会社の就職にと、いろいろなワープロ検定の資格が注目を集めています。が、はっきり言って会社側にしてみても、3級でいいのか2級、1級がいいのか、などはほとんど分かってはいません。
3級だと10分で300文字打てる。
2級だと500文字くらい打てるという違いが、仕事にどれだけ影響するのか。よくわかっているとも思えません。
 パソコンが普及する前に就職した方で、10分で何文字書けますか。
なんて試験で聞かれた方がいると思いますか。
10分で500文字書けた人が出世が早かった、なんて話し聞いたことがありますか。
結局パソコンが必須の時代になってきたので、パソコンができるかどうかを知りたい。と悩んでいた会社に、頭のいい人がパソコンに級別の検定を考えて、雇う側もよくわからないから、とりあえず級を持っている人を雇っていけば、あとで上司に怒られることもないだろう。というのがいいとこだと思います。
 まあ現実問題、資格試験があるから、就職に活かすには取っておいても損はない。という程度のものでしょう。
でも、「少しパソコンで何かやってみよう」「自分の仕事に生かしてみよう」という方なら、
キーボードの入力スピードにとらわれる事は一切必要がないということです。
 話が長くなってしまいましたが、キーボードの入力スピードに関しては、本当に多くの方々が「自分は遅い」と言って悩んでいます。
これを読まれた方には、ぜひそんなことを気にする必要はないということを分かっていただき、楽しみながらパソコンに触っていただきたいと思います。
 さて「まずは作ってみる」ということの続きですが、実際に作り出すと文字の入力以外にやることがたくさんあると言いました。
これが編集作業だと言いましたが、こう言うとまたまた、あなたは「やっぱり難しそうだ」とがっかりしそうですが、実際にやってみると決して難しいことではありません。
編集するために覚えなくてはならないキー(キーボードのボタンのこと)は、3つだけです。
「エンターキー」(改行するために使う)。「スペースキー」(空白を入れる)。「デリートキー」(文字を削除する)。の3つだけでいいのです。
私は編集するのに1時間も2時間も掛けると言いましたが、やはり使っているのはこの3つのキーだけです。
少しは安心できましたか。
 とりあえず作ってみると、この3つのキーの使い方も自然に覚えていきます。いや覚える、というよりは慣れてくる、といったほうがよいかもしれません。
そしていくつも作っていると、「慣れる」以上に大事な、「失敗する」という経験ができるということです。
キーボードの入力にしろ、編集作業にしろ人間ですから必ず失敗します。
一番多いのは、「教室では、うまく成功したのに、家に帰ってやってみたら失敗してしまった。やっぱり私にパソコンは合わない」とあきらめてしまうことです。
教室では無難にこなすということは決してよいことにはなりません。
むしろ教室でこそ、いろいろチャレンジしてみて、いっぱい失敗するのがよいことだと思います。
そしてどうすればよいかを聞けばいいのです。

面白いことに、最初のうちは簡単な失敗が多いので、すぐに修復ができることも多く、生徒さんも安心して失敗しています。

しかし、だんだんと覚えていきますと、時間をかけて作った書類が、全部消えてしまったというような事態も出てきます。
これは「保存」という作業を忘れた結果です。
保存とは、作った書類をパソコンに記憶させる作業のことですが、これを忘れて終了するとすべてが消去されてしまいます。
生徒さんは顔面蒼白で悔しがりますが、これを2〜3回繰り返しますと、だんだん「保存」を忘れなくなります。私たち人間は大人も子供も同じで、痛い目にあわないとなかなか覚えられないようです。
家や会社でこれをやると、本当に書類をなくしながら覚えていくことになりますが、教室でやっている限りは比較的実害は少なく覚えていけます。
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3、『秘伝 その3「繰り返してみる」』

 私どもの授業「入門コース」では、電源の入れ方、切り方から始まって、マウス、キーボードの打ち方。そして少し慣れてきたらインターネットをしたり、ワープロをしたり、表計算を体験したり、またEメールを覚えたりと、多くの人がパソコンで行うことを一通り体験しながら、覚えられるようになっています。
少々、欲張ったカリキュラムですが、人によっては、インターネットに重点を置いたり、覚えなくてもいい内容は、飛ばしたりして行っています。
生徒さんのリクエストによって、カリキュラムも自由自在に変更できるようにしています。
 さて、自由な反面難しいこともあります。
ワープロを少しやって、インターネットに進んでいきますと、ワープロのところで覚えたことを、やはり忘れがちになります。
ころあいを見計らって「ワープロの復習で、前のところをもう一度してみませんか」と聞くのですが、「インターネットで楽しいパソコン」をやっていますと「難しかったワープロ」のところに戻るのは、なかなか抵抗されます。

では次に進んでいきましょうか。といって行うわけですが、やはりすっかり忘れて次のステップがなかなかできません。
 最近は、教室でも少し考えて、「前に戻る」といってテキストを戻すのをやめました。テキストが分厚くなりますが、次のステップのところに、復習ページをもう一度はさんで、「戻る」と言わずに「進んで」復習してもらうようにしています。

 せっかく覚えても、やはり私たちは忘れていきます。
覚えたことは必ずといっていいほど忘れます。
慣れるしかありません。
なれて習慣化するところまでいけばいいのですが、パソコンを日常化するところまではなかなかいかない以上、ある程度意識化して繰り返してみることが大事です。
とはいっても、自分には必要のない文例の書類を、いくらやっていても面白みはまったくありません。
私どもではテキストに載っている文例はそこそこやれば結構です。あとはあなたがパソコンを覚えたらやってみたいと思っていることを、教室に持ち込んで作ってください。と言っています。
教室で作って家にデータを持ち帰れば、家でいくらでも印刷できるし、編集もしなおせます。
これの一番いいところは、生徒さんの書類を作る姿勢が全く変わる、ということです。
いくら練習といっても、自分に関係のない文章では、やはりやる気が出ません。
実際に使う書類であれば、目の色が違ってきます。
編集にかける意気込みが違います。
それこそ入力した時間の2倍も3倍もかけてレイアウト、編集していかれます。
3つも4つもいろいろなパターンのものを作られます。

 「繰り返してみる」というのは、全く同じ事をする、同じ文章を打つということではなく、同じ程度の機能を使って書類を作るという意味です。
たとえば行を変える機能、文字の大きさを変える機能、書体を変える機能、色を変える機能などを使って、いろいろな文章を打ってみる、書類を作ってみるということです。

ワープロに関して言えば、パソコンの上級者でも、実際に作る書類は、今あげた機能を使う程度で作っています。
 どうかあなたもパソコンを恐れることなく、気楽に、楽しむ程度に、無理に覚えようとせず、慣れるまで気ままにパソコンをやってほしいと思います。
今はパソコンも未成熟ですが、そのうちにきっと、自動車やほかの家電製品のようにもっと気軽に丈夫で使いやすくなってくると信じています。
あなたとしては、それまで待つという選択肢もありますし、少し先取りして楽しんでみるという選択肢もあります。
少し先取りしたいが悩んでいる、という方にと思い、このような小冊子を作ってみました。少しでもうなづいていただけるところがあれば幸いです。


最後に

最後になりましたが、もう一言。
パソコンはどこまでいっても道具にしか過ぎません。
いい書類、いい手紙、いい提案書、PTAのお知らせなどいろいろなものが作れますし、実際にその作り方を覚えに来られるわけです。
 しかし、道具としてのパソコンという観点から言える事は、これらのいいものを作るための本当の必要条件は、実はパソコンにはない。ということです。
結局は、「あなたの気持ちを伝える」ということ以外にないわけです。
そのための、作文能力であり、編集のセンスだと思います。
私はインターネットとEメールしかしないという方も見えます。
インターネットのマナーやEメールのマナーも大事ですが、結局は相手の居ることです。当たり前のことではありますが、パソコンとは関係なく、あなたが「何を伝えたいか」が大事なことは言うまでもありません。

パソコンは人間と人間が、より快適につながっていくための、道具として生まれました。もしも万が一パソコンがあることによって、人間関係が難しくなるようであれば、むしろパソコンをやめたほうがよいと思うくらいです。

 21世紀はパソコンが使いやすい道具になる。
コミュニケーションも情報収集も、パソコンを使えば、電話や手紙、FAX以上にもっと便利に使える時代がくると思います。


そしてその便利さは誰が一番享受できるか、といえば実は若者ではなく、中年、老年、あるいは老後の生活に便利になると思われるのです。
誤解を恐れずに言えば、子供は部屋でパソコンなんかと遊んでいるよりも、外で遊んでいるほうがよっぽど人生の学びが多いだろうし、若者は元気があり余っているんだから、走って友達に合いにいって遊んでいればいいと思う。
年令的に体力が落ちても、知力・気力の充実した中高老こそ、家にいながらコミュニケーションをとり、頭を使い、金を使って日本を、世界を動かしていく原動力になるのではと思っているのです。
 そんな考えから、私は今「Uパソコン塾」で一番パソコンを覚えてほしいのは、中高老年層の方々だと思っています。
もちろん若い方向けの就職対策用、資格取得コースや、21世紀の船出に落ちこぼれないための子供用の教室も用意していますが、私が「Uパソコン塾」を作りたいと思った最大の動機は、中高老のためのパソコン塾です。
 思いは通じるもので、普通パソコン教室というと結構若い方が多いのですが、私どもでは50才以上が半数を超え、40才以上から含めると7割以上を占めています。ちょっとほかの教室では考えられない数字です。

 少し大きなことをいってみたいと思います。
 時代は21世紀に突入しました。
日本は少子高齢化がますます進んでいきます。
政府官僚の今までの見方は非常に暗い未来を予想していました。
新聞やマスコミは、今でも高齢化社会の到来に将来の不安を掻き立てています。
しかし、本当にそうでしょうか。
私は4年程前に厚生省の外郭団体「健康生きがい開発財団」の「健康・生きがいアドバイザー」という資格をとるために若干勉強し、情報を収集しておりました。そしてその結果、日本の未来に大半のマスコミや政府が報道しない非常に明るい材料を発見しました。
詳しい話をしようとすると1冊の本になってしまうので、ここではしませんが、
大まかなことだけを言うとすれば次のようなことです。

 高齢者の9割以上は元気で、知力も気力もある。そして世界的に見れば富もある。日本人は世界人口の2%でありながら、世界中の富の30%以上を持ち、高齢者は日本中の富の5割以上を持っている。古今東西、富を持つ側が幸福を享受していく社会が構築されていく。


 今、日本は不況だ不況だと騒いでいるけど、これは古い制度や、ビジネスの形態が淘汰されて、新しい制度やビジネスの形態に、移行しようとしている過渡的な状況だからです。
そして新しい制度やビジネスは、高齢者が快適に暮らせるための社会づくりに収れんされていくと思われるのです。
体力的に弱っている人々が、快適に暮らせる世の中は、当然体力のある若者にとってもすみやすい環境になります。
高齢化は悪、というような風潮は、とんでもない偏見ではないでしょうか。
古来より、人々がどれほど長寿社会に恋焦がれてきたか。
歴史上の覇者の多くが、最後に望んだものは不老長寿の秘薬でした。

20世紀後半、世界は日本の奇跡的な経済成長を驚異の目で見てきました。
21世紀、世界の人々は、世界一の長寿社会を実現した日本を、憧れの目で見るようになるでしょう。
21世紀の世界をリードしていくのは、実は日本の高齢者であろうと思っています。
また、それであってこそ21世紀の日本の繁栄があると思います。

人類史上初めて経験できる長寿社会。
この長寿社会の主人公である高齢者が、パソコンを片手に、史上かつてないほどの豊かさで、幸福な老後の生活を満喫できる社会になることを、心より祈念しております。
私どもの「Uパソコン塾」が、そのためのお役に少しでも立てれば、これ以上の幸せはありません。
                             Uパソコン塾 上村慎二郎

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